Japanese
English
研究と報告
感情障害患者群の体重分布と体重変化
The Distribution and Change of Body Weight in Affective disorders
塩入 俊樹
1
,
辻本 哲士
1
,
山田 尚登
1
,
大門 一司
1
,
花田 耕一
1
,
高橋 三郎
1
Toshiki Shioiri
1
,
Tetsushi Tsujimoto
1
,
Naoto Yamada
1
,
Kazushi Daimon
1
,
Koichi Hanada
1
,
Saburo Takahashi
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Affective Disorders
,
Distribution of body weight
,
Tricyclic antidepressants
,
Subjective weight loss
,
Appetite loss
Keyword:
Affective Disorders
,
Distribution of body weight
,
Tricyclic antidepressants
,
Subjective weight loss
,
Appetite loss
pp.725-732
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903078
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 8年間に入院した感情障害(DSM-Ⅲ)患者127例について,入院期間中の体重変化の実測値を標準体重分布に基づいて検討し,さらに自己申告による体重変化と食欲低下を客観的な実測値と比較し,以下の結果を得た。①うつ病患者群の体重分布曲線は,入院時明確な“やせ”傾向を示し,退院時には正常化した。②うつ病の女性において,特に入院時の体重減少傾向が強く,退院時の正常分布への戻りがよかった。③うつ病の下位分類では,メランコリーを伴うものでより入院時“やせ”傾向が顕著で,退院時においても軽度の“やせ”傾向を残していた。一方,メランコリーを伴わないものは,退院時には体重が増加して健常者の体重分布に近づくことが分かった。④躁病では一定の傾向を示さなかった。⑤患者の自己申告による体重変化は実測値と相関し,特にうつ病では信頼性が高かった。⑥主観的食欲低下は,体重変化の実測値との間に有意な関係は認められなかった。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.