Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【双極症】
「急性期治療を終えた」その後
After “Termination of Acute Treatment for Bipolar Disorder”
寺尾 岳
1
Takeshi Terao
1
1大分大学医学部精神神経医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Oita University Faculty of Medicine, Oita, Japan
キーワード:
双極症
,
bipolar disorder
,
治療終結
,
treatment termination
,
再発
,
recurrence
,
予後
,
prognosis
Keyword:
双極症
,
bipolar disorder
,
治療終結
,
treatment termination
,
再発
,
recurrence
,
予後
,
prognosis
pp.1549-1554
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207444
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抄録
多くの双極症患者は急性期治療から維持療法へ至っても,正常気分を保ちつつ再発防止のための服薬を続けることが精一杯で,なかなか治療終結の話にはならない。実際には,長期にわたる再発予防療法の過程で患者の話が病気中心の話題から日常生活中心の話題に変わっていきつつも,再発に備えて緊張感を持って治療を続けている患者が多いと筆者は考えている。本稿では,患者も納得のうえで長期間治療を続けている双極症Ⅰ型とⅡ型それぞれ1例ずつと,患者の意向で治療を終結した双極症Ⅰ型とⅡ型それぞれ1例ずつを示す。今回提示した4例は,患者も筆者も苦労しながら双極症急性期を終え維持療法へ移行し,現時点あるいは最終診察時に正常気分を維持していた。治療を終結した2例では今後の再発の危険性は否定できず,再受診の可能性はある。双極症の治療終結を考える時には,患者の個別性に応じて,よくよく患者と話し合う必要がある。
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