Japanese
English
特集 心身相関—精神と身体の関係はどこまで解明されたか
【心身相関の生物学】
摂食症と腸内細菌
Brain-Gut-Microbiota Axis in Eating Disorders
桐村 直樹
1
,
岡村 和哉
1
,
紀本 創兵
1
Naoki Kirimura
1
,
Kazuya Okamura
1
,
Sohei Kimoto
1
1和歌山県立医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Wakayama Medical University
キーワード:
摂食症/摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
腸内細菌
,
intestinal bacteria
,
脳腸相関
,
brain-gut-interaction
,
報酬系
,
reward system
Keyword:
摂食症/摂食障害
,
eating disorder
,
神経性やせ症
,
anorexia nervosa
,
腸内細菌
,
intestinal bacteria
,
脳腸相関
,
brain-gut-interaction
,
報酬系
,
reward system
pp.145-149
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680020145
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抄録
摂食症(摂食障害)は思春期女性に多く,精神疾患の中で最も死亡率の高い疾患の1つであるが,有効な治療法はいまだ存在せず,病態の解明が望まれている。近年,さまざまな精神疾患と腸内細菌叢との関連が注目されているが,摂食症,特に神経性やせ症においても腸内細菌叢の変化について注目されている。神経性やせ症の好発時期である思春期は腸内細菌叢が成人に向けて変化する重要な段階であり,この時期のストレスや栄養状態は脳腸相関に強い影響を及ぼす可能性が高い。さらに,腸内細菌は性ホルモンとも相互作用し,思春期の脳発達や情動調整の脆弱性を高めうる。神経性やせ症の患者では腸内細菌の多様性の低下や,炎症性サイトカインの上昇が報告され,腸粘膜バリアの脆弱性や免疫活性化を介して脳機能,特に報酬系の機能に影響を与えうる。本稿では摂食症と脳腸相関の関連について述べ,プロバイオティクスの投与や腸内細菌移植の試みなど新たな治療法の可能性について論じる。

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