Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【双極症】
「治療を終えたい」に寄り添う心理社会的治療—対人関係・社会リズム療法
Psychosocial Treatment to Accompany Patients who “Want to Finish Treatment”:Interpersonal and Social Rhythm Therapy
利重 裕子
1
,
水島 広子
2,3
Yuko Toshishige
1
,
Hiroko Mizushima
2,3
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
2水島広子こころの健康クリニック
3慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
1Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Aichi, Japan
2MIZUSHIMA HIROKO Mental Health Clinic
3Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
キーワード:
対人関係・社会リズム療法
,
interpersonal and social rhythm therapy
,
対人関係療法
,
interpersonal psychotherapy
,
社会リズム療法
,
social rhythm therapy
Keyword:
対人関係・社会リズム療法
,
interpersonal and social rhythm therapy
,
対人関係療法
,
interpersonal psychotherapy
,
社会リズム療法
,
social rhythm therapy
pp.1543-1548
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207443
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抄録
双極症のように,“一生付き合っていく”と考えられている病気を受け入れることは容易ではない。心の奥底では,「治療を終えて,元の生活に戻りたい」という願望が多くみられる。治療者としてまず重要なことは,患者が薬物療法をしながら社会リズムを整える必要がある(制約のある)生活から解放され,「治療を終えたい」と願うのは当然であると,患者の感情を肯定することである。また,それと同時に,患者が過去に薬物療法を受けずに自由で制約のない生活を送った結果,症状が悪化し,人生に大きな代償を払ったことを振り返り,“無理が利く”健康な自分には戻ることができないという喪失感に寄り添いながら,新しい生活スタイルを模索する患者を支えることも重要である。そして,新しい生活スタイルを構築する過程で,症状が再発した際には早期に治療を再開できるように,あらかじめ症状が再発しやすい契機を共有しておくことが重要である。
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