Japanese
English
特集 精神神経疾患の治療とQOL
双極症の治療とQOL—心理社会的側面から
Psychosocial Treatments and Quality of Life in Bipolar Disorder
阿部 又一郎
1
Yuichiro Abe
1
1有隣会伊敷病院
1Ishiki Hospital, Kagoshima, Japan
キーワード:
双極症
,
双極症障害
,
bipolar disorder
,
生活の質
,
quality of life
,
QOL
,
安定
,
正常気分
,
euthymia
,
双極症特異的QOL尺度
,
QoL. BD
,
双極症の心理社会的介入法
,
psychosocial intervention for bipolar disorder
Keyword:
双極症
,
双極症障害
,
bipolar disorder
,
生活の質
,
quality of life
,
QOL
,
安定
,
正常気分
,
euthymia
,
双極症特異的QOL尺度
,
QoL. BD
,
双極症の心理社会的介入法
,
psychosocial intervention for bipolar disorder
pp.283-293
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206572
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抄録 双極症を生きる人は,症状のみならずさまざまな側面でQOLを低下させている。近年,実臨床の見地から気分症状の改善よりもQOLの改善に関心が向けられるようになった。本稿では,双極症関連QOLに焦点を当てた心理社会的な実証研究や治療アプローチについて概説する。前半部では,QOL研究の概略を述べた後,双極症特異的QOL尺度(QoL. BD)を開発したカナダのMichalakを中心とするCREST-BDの動向に注目する。後半部では,双極症寛解期(euthymia)における認知機能障害のQOLや病識への影響にふれ,治療面から双極症患者の睡眠問題や不安に各焦点を当てた心理社会的介入法について紹介する。最後に,双極症を生きる人の科学と生き様をめぐり,QOL研究から幸福を見出せるよう医療倫理学的観点から提言する。
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