Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【総論】
精神疾患の「治療を終える」とは
What does it mean to “Finish Treatment” for Mental Disorders?
青木 省三
1
Shozo Aoki
1
1公益財団法人慈圭会精神医学研究所
1Zikei Institute of Psychiatry, Okayama, Japan
キーワード:
精神障害
,
mental disorders
,
治療関係
,
therapeutic relationship
,
治療終結
,
finish treatment
Keyword:
精神障害
,
mental disorders
,
治療関係
,
therapeutic relationship
,
治療終結
,
finish treatment
pp.1504-1508
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207436
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抄録
精神疾患においては,患者と家族は「終わりのある急性疾患」と考え,治療者・支援者は「長い経過をたどる慢性疾患」と考えるという,乖離が生じやすい。その意味からも,一定の安定した状態が続けば,いったんは「急性疾患として治療を終える」という選択肢もあるのではないかと筆者は考えるようになった。また,治療を終える際には,「困った時には相談に来てほしい」と伝えるだけでなく,患者が社会の中で孤立しないような配慮が必要と考えた。そして,通院の経路,治療のバトンを渡すこと,通院歴の空白,転地や転院を繰り返すこと,再発・再燃を通院や服薬をやめたせいにしないこと,などについて,「治療を終える」という視点から論じた。
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