Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【総論】
「治療を終える」を診療で話題にする
Conversing about “End of Treatment” in medical examination
川口 敬之
1
,
小林 慧
1,2
Takayuki Kawaguchi
1
,
Kei Kobayashi
1,2
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部
2東京大学医学部附属病院精神神経科
1Department of Community Mental Health & Law, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
2The University of Tokyo Hospital, Department of Neuropsychiatry
キーワード:
治療終結
,
end of treatment
,
治療関係
,
therapeutic relationship
,
精神療法
,
心理療法
,
psychotherapy
,
診療
,
medical examination
,
精神疾患
,
mental illness
Keyword:
治療終結
,
end of treatment
,
治療関係
,
therapeutic relationship
,
精神療法
,
心理療法
,
psychotherapy
,
診療
,
medical examination
,
精神疾患
,
mental illness
pp.1517-1522
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207438
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抄録
「治療を終える(治療終結)」は,診療の受診者と医療者との間にジレンマを引き起こし,課題が多く存在する。目の前にいる受診者の治療終結が可能であるか否かを医療者が判断する以前に,受診者は治療目標の達成や,よりよい形での治療終結を望んでいる。本稿では,受診者とともに「治療を終える」を診療で話題にすること自体は治療初期から可能であるという視座に立ち,「治療を終える」に向き合うことを試みた。治療プロセスの中で,受診者と医療者が「治療を終える」とはどのような状態であるかについて協働的に検討することは,医療者が自身の不安やリスクへの懸念を理由に何も講じないよりも,その利点は大きい可能性がある。受診者と医療者がともに治療終結に向かうことを可能にするために重要なことは,「治療を終える」を話題にする時期や必要な配慮・視点を踏まえて,医療者が「治療を終える」を信じることかもしれない。
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