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特集 学校で精神疾患を「自分のこと」として教育する
教科書における精神疾患に関する記載の変遷—1950〜2002年までの保健体育の教科書にみる記載とメンタルヘルスリテラシー教育
Changes in Descriptions of Mental Illness in Textbooks: Mental Health Literacy Education and Physical Education Textbooks from 1950 to 2002
吉岡 久美子
1,2
,
中根 允文
3
Kumiko Yoshioka
1,2
,
Yoshibumi Nakane
3
1福岡大学人文学部
2福岡大学大学院人文科学研究科
3長崎大学
1Faculty of Humanities, Fukuoka University, Fukuoka, Japan
2Fukuoka University
3Nagasaki University
キーワード:
教科書
,
textbooks
,
精神疾患
,
mental illness
,
メンタルヘルスリテラシー
,
mental health literacy
Keyword:
教科書
,
textbooks
,
精神疾患
,
mental illness
,
メンタルヘルスリテラシー
,
mental health literacy
pp.1197-1206
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206733
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抄録 本論文では,1950年から2002年までの教科書における精神疾患に関する記載の変遷について紹介し,メンタルヘルスリテラシー研究の示唆も踏まえて検討した。その結果(1)昭和25(1950)〜40(1965)年に入るまでは,精神疾患に関する記載として,精神障害(者)は理解し難い言動をとったり問題行動をとる人のように記載されていたこと,社会との関連として,優生手術の対象となるような記載がきわめて多くみられたこと,(2)昭和50(1975)年代に入ると記載内容が大きく変わるが,1980年代以降になると精神疾患にかかわる記載が消失していたこと,(3)メンタルヘルスリテラシー研究からの示唆として,精神疾患に関する正しい知識と適切な理解,そして態度と行動を身につける上で学校教育が果たす役割が大きいことについてまとめた。
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