Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
パーソナリティ症—患者の気づきを治療に活かす
Personality Disorders : Utilizing Patient's Self-awareness in Treatment
林 直樹
1
Naoki Hayashi
1
1西ヶ原病院
1Nishigahara Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
パーソナリティ症
,
personality disorder
,
気づき
,
self-awareness
,
心理療法
,
psychotherapy
,
自律性の尊重
,
respect for autonomy
Keyword:
パーソナリティ症
,
personality disorder
,
気づき
,
self-awareness
,
心理療法
,
psychotherapy
,
自律性の尊重
,
respect for autonomy
pp.828-835
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207315
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抄録
パーソナリティ症の治療は,患者の気づきなしで始めることはできない。治療ではその後も,患者が治療の課題に取り組む中で,自らのパーソナリティを見返し,それに関わる問題を認識し,それへの対策を行ううちに気づきを深めていくという循環的過程が進められる。ここでの治療者(担当医)の役割は,患者に精神医学的評価を提示して,それをもとに自らの問題について考えてもらうこと,そしてその対策を患者とともに検討することである。同時にそこでは,患者の自律性を尊重し,患者が自由に選択できるよう配慮することが重要である。
本稿ではこの理解の下で,モデル症例を用いて病状把握・診断の説明,治療方針の策定などの治療者の作業や患者の気づきの過程を具体的に示した。
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