Japanese
English
特集 「治療を終える」に向き合う
【総論】
精神療法の「治療を終える」
Thinking about the termination of psychotherapy
池田 暁史
1
Akifumi Ikeda
1
1大正大学心理社会学部臨床心理学科
1Taisho University, Tokyo, Japan
キーワード:
精神療法
,
psychotherapy
,
期限設定精神療法
,
time-limited psychotherapy
,
終結
,
termination
,
喪の仕事
,
mourning work
Keyword:
精神療法
,
psychotherapy
,
期限設定精神療法
,
time-limited psychotherapy
,
終結
,
termination
,
喪の仕事
,
mourning work
pp.1523-1527
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207439
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
精神療法において「治療を終える」とはどういうことかを論じるために,第一水準の精神療法と第二水準の精神療法という区別を導入した。精神分析的精神療法や認知行動療法のような専門的精神療法である第二水準の精神療法には,治療開始時に期限が設定されているものとされていないものがあり,それによって治療の終わり方は相当に異なる。無期限設定の精神療法では,急に治療を終えるのではなく終結期をもつことが患者が別れを乗り越える(喪の仕事)うえで非常に重要となる。保険診療における通院精神療法や入院精神療法に該当する第一水準の精神療法は,本邦では一般に支持的精神療法と呼ばれることが多いが,その終わり方には実にさまざまなパターンがある。患者が勝手に来なくなってしまうという事態が第二水準の精神療法と比べて格段に多くなるが,それでも可能な限り「治療の終わり」を患者と治療者という2人で体験することの意味は大きい。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.