Japanese
English
特集 不登校の理解と支援
【不登校に潜む精神疾患・症状】
不登校と精神疾患
School Refusal and Mental Disorders
山岸 正典
1
Masanori Yamagishi
1
1公立学校共済組合関東中央病院
1Kanto Central Hospital of the Mutual Aid Association of Public School Teachers, Tokyo, Japan
キーワード:
不登校
,
school refusal
,
精神疾患
,
mental disorders
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
うつ病
,
major depressive disorder
,
摂食障害
,
eating disorder
Keyword:
不登校
,
school refusal
,
精神疾患
,
mental disorders
,
統合失調症
,
schizophrenia
,
うつ病
,
major depressive disorder
,
摂食障害
,
eating disorder
pp.1285-1293
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207397
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抄録
不登校の支援において,その背景に潜む精神疾患の診断と対応は精神科医の重要な役割である。児童思春期発症の精神疾患は症状が非定型的で,診断確定に時間を要することも多いが,成人の精神科の知見が生かせる部分も少なくない。児童思春期の精神疾患の診断を試みるうえでの留意点を意識するとともに,その特徴を把握することで,一般の精神医療の場でも可能な支援がある。治療に関しては,統合失調症,双極症Ⅰ型では薬物療法,うつ病,不安症,強迫症,摂食障害では心理社会的治療が中心となる。軽症例では疾病教育主体のアプローチで改善が得られるケースも多く,本人,家族との共同意思決定を心がけながら試みるとよい。不登校の支援の目標は,再登校することではなく,本人なりにwell-beingを追求するための基盤作りであり,医療や教育はともにこれを支える柱の1つである。限られたリソースの中,最善を追求し続けることが,よい治療関係ひいては回復の礎となる。
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