Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
統合失調症の気づきと病識
Awareness and Insight in Schizophrenia
賀古 勇輝
1
Yuki Kako
1
1北海道大学病院附属司法精神医療センター
1Forensic Psychiatry Center, Hokkaido University Hospital, Hokkaido, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
気づき
,
awareness
,
病識
,
insight
,
主観的体験
,
subjective experience
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
気づき
,
awareness
,
病識
,
insight
,
主観的体験
,
subjective experience
pp.780-786
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207308
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
統合失調症において病識欠如は症候学的な特徴の1つであり,治療上最大の障壁である。病識については近年さまざまな研究が積み重ねられているが,病識は多次元で構成され,多くの要因が関与するきわめて複雑な現象であるため,明らかにされていない部分も多い。病識のもととなるのは気づきであり,主観的体験であるが,これまで統合失調症患者の主観的体験はその曖昧さや科学的根拠の乏しさから軽視されてきた歴史がある。しかし,近年の当事者主体の共同創造や対話実践などへの注目から,今後は主観的体験や病識の重要性が見直され,臨床において重視されるようになるのではないかと思われる。
本稿では,統合失調症患者の病識の概要や気づきの体験,病識欠如の影響や要因,気づきや病識を高めるための工夫などについて概説した。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.