Japanese
English
特集 精神疾患の気づきと病識
身体症状症における病識
Insight in Somatic Symptom Disorder
名越 泰秀
1
Yasuhide Nagoshi
1
1京都第一赤十字病院精神科(心療内科)
1Department of Psychiatry(Psychosomatic Medicine), Japanese Red Cross Kyoto Daiichi Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
SSD
,
病識
,
insight
,
ノセボ反応
,
nocebo reaction
Keyword:
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
SSD
,
病識
,
insight
,
ノセボ反応
,
nocebo reaction
pp.803-809
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207311
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抄録
身体症状症の患者は,病識が乏しい。これはいわゆる神経症に含まれる他の疾患と比べ,際立った特徴である。その原因は,主症状が身体症状であること,強迫的とらわれ,認知機能障害,身体化における疾病利得などが考えられる。病識が一見ありそうな患者も,真の病識はないことが多く,この場合は治療がかえって難航することがある。病識が乏しい場合,治療導入の困難さ,ノセボ反応による難治化や副作用の訴え,治療中断などが生じやすい。病識が乏しい患者に対しては,治療者は能動的なスタンスをとるべきであり,家族のサポートも利用すべきである。さらにはピアサポートの利用も考えられる。
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