Japanese
English
展望
統合失調症の「病識」を再考する
Insight of Schizophrenia Revisited
池淵 恵美
1
Emi Ikebuchi
1
1帝京平成大学大学院臨床心理学研究科
1Graduate School of Clinical Psychology, Teikyo Heisei University, Tokyo, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
臨床的な病識
,
clinical insight
,
障害認識
,
awareness of illness
,
認知的な病識
,
cognitive insight
,
メタ認知
,
metacognition
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
臨床的な病識
,
clinical insight
,
障害認識
,
awareness of illness
,
認知的な病識
,
cognitive insight
,
メタ認知
,
metacognition
pp.395-414
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206303
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抄録 統合失調症の病識欠如は当初から知られているが,1990年代に客観的評価方法が開発され,脳機能や社会文化的要因との関連性についての研究が増加した。そしてclinical insightと並んで,メタ認知機能と関係の深いcognitive insightが注目され,心理教育や認知行動療法などとともに,cognitive insightへの介入プログラムが開発されてきた。しかし両者ともにまだ成果は十分ではない。薬物療法も特に慢性期において効果が不十分である。急性期の大きな混乱に見舞われている時期から,主観的な体験に寄り添って支援し,回復してきたら仲間とともに心理教育に参加し,さらに個々人の志向に沿ってメタ認知トレーニングや認知行動療法に参加することが望ましい。家族心理教育も重要である。
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