Japanese
English
特集 精神疾患への栄養学的アプローチ
心的外傷後ストレス症における栄養学的問題
Nutritional Issues in Posttraumatic Stress Disorder
堀 弘明
1
Hiroaki Hori
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部
1Department of Behavioral Medicine, National Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
心的外傷後ストレス症
,
posttraumatic stress disorder
,
PTSD
,
栄養
,
nutrition
,
炎症
,
inflammation
,
多価不飽和脂肪酸
,
polyunsaturated fatty acids
,
動物モデル
,
animal model
Keyword:
心的外傷後ストレス症
,
posttraumatic stress disorder
,
PTSD
,
栄養
,
nutrition
,
炎症
,
inflammation
,
多価不飽和脂肪酸
,
polyunsaturated fatty acids
,
動物モデル
,
animal model
pp.295-301
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207216
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抄録
心的外傷後ストレス症(posttraumatic stress disorder:PTSD)は,トラウマ記憶の再体験症状に代表される心理・行動症状を主徴とする精神疾患である。一方,PTSDは,メタボリック症候群や糖尿病などの代謝性疾患および心血管疾患をしばしば合併することが明らかになっている。PTSD患者は,食事や栄養が偏っている,活動量や運動量が少ない,などの不健康な食生活習慣を呈する傾向にあることも報告されている。そういった身体疾患や生活習慣によって炎症が惹起され,それがPTSDの発症や症状悪化に関連する,という可能性も指摘されている。したがって健康的な食生活習慣は,合併身体疾患の治療に重要であることに加え,PTSD症状の改善にもつながりうる。PTSD患者および動物モデルにおける栄養学的研究が進展することで,新しい予防・治療法が開発され,それによって患者の症状改善およびQOL向上につながることが期待される。
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