Japanese
English
特集 うつ病のバイオマーカー開発の試み
気分障害における構造MRI研究とバイオマーカー開発の現況
Structural MRI Studies and Current Status of Biomarker Development in Mood Disorders
原田 舟
1
,
松尾 幸治
1
Shu Harada
1
,
Koji Matsuo
1
1埼玉医科大学医学部精神医学
1Department of Psychiatry Faculty of Medicine, Saitama Medical University, Saitama, Japan
キーワード:
気分障害
,
mood disorders
,
構造MRI
,
structural magnetic resonance imaging
,
バイオマーカー
,
biomarker
Keyword:
気分障害
,
mood disorders
,
構造MRI
,
structural magnetic resonance imaging
,
バイオマーカー
,
biomarker
pp.156-161
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207189
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抄録
気分障害の診断には症候学に基づく操作的診断基準が広く用いられており,画像所見は含まれていない。一方,研究分野では画像診断装置の開発と普及に伴いバイオマーカー開発の試みとして,気分障害の画像研究が主にMRI(magnetic resonance imaging)を用いて盛んに行われるようになり,近年行われている多施設大規模研究によってさまざまな脳部位で灰白質および白質の構造異常が報告されている。しかしながら,構造MRI研究では疾患群と健常対照者との脳体積の違いは個人差に比べて小さく,年齢や性別といった疾患に関連しない因子によるバイアスや,機器や撮像条件の違いによるバイアスのほうが,疾患による変化よりも大きいと言われている。そのため,構造MRIがうつ病や双極症の診断や治療のバイオマーカーになるには,さらなる知見の蓄積が必要である。
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