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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[日本の治療環境に合わせた治療資源の拡充]
摂食障害相談支援と紹介ネットワークの構築
The establishment of an eating disorder treatment support center and referral network
河合 啓介
1,2,3
Keisuke Kawai
1,2,3
1国立国際医療研究センター国府台病院心療内科
2摂食障害全国支援センター「相談ほっとライン」
3千葉県摂食障害支援拠点病院
1Department of Psychosomatic Medicine, Kohnodai Hospital National Center for Global Health Medicine, Chiba, Japan
キーワード:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
摂食障害支援拠点病院
,
support base hospital for eating disorder
,
摂食障害相談ほっとライン
,
center for eating disorder research and information:consultation hotline
,
ネットワーク
,
network
Keyword:
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
,
摂食障害支援拠点病院
,
support base hospital for eating disorder
,
摂食障害相談ほっとライン
,
center for eating disorder research and information:consultation hotline
,
ネットワーク
,
network
pp.1288-1295
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207080
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抄録
2015年,厚生労働省は,宮城県,千葉県などの全国5か所の医療機関を摂食障害支援拠点病院(以下,支援拠点病院)に指定し,当事者・家族からの電話やメールの無料相談や地域連携支援体制の構築を行っている。さらに,2022年1月には,支援拠点病院が設置されていない都道府県に対して相談業務を行うため,当院が摂食障害「相談ほっとライン」事業を国立精神・神経医療研究センターから委託された。これらの活動を通じて,われわれは千葉県内の医療連携を推進し,基幹病院(国府台病院)への紹介割合は,2017年度94%から2021年度は19%に減少した。全国対象の「相談ほっとライン」は,人口の多い自治体在住者からの相談が多く,その内訳は,母親が51%,当事者が31%であった。相談内容は,受診先相談や対応相談が多く,また受診状況は未受診が21%,治療中や治療中断事例からの相談が57%であった。メールや電話などを用いた敷居の低い相談体制は摂食障害(摂食症)支援に有用である。
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