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特集 拡がり続ける摂食障害(摂食症)—一般化とともに拡散・難治化する精神病理にどう対処するか
[摂食障害の治療]
認知行動療法—なぜ現在の形式となったのか
Cognitive behavior therapy for eating disorders
髙倉 修
1
Shu Takakura
1
1九州大学病院心療内科
1Department of Psychosomatic Medicine, Kyushu University Hospital, Fukuoka, Japan
キーワード:
認知行動療法
,
cognitive behavior therapy
,
CBT-E
,
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
Keyword:
認知行動療法
,
cognitive behavior therapy
,
CBT-E
,
摂食障害/摂食症
,
eating disorders
pp.1262-1270
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207077
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抄録
摂食障害(摂食症)に対する認知行動療法は1980年代より発展してきた治療法である。現在では英国のFairburnが開発した強化版認知行動療法(enhanced cognitive behavior therapy:CBT-E)が最も多くのエビデンスを有し,神経性やせ症や神経性過食症の治療法として各国で推奨されるまでとなっている。
一方,摂食症はその時代の社会文化的背景の影響を色濃く受けながら変化し,近年は衝動性や情動不耐性の高い症例の出現など,かつて比較的均一であった摂食症の病態は多様化している印象がある。こうした多様化する摂食障害に対して対応可能な治療法の開発が求められ,摂食症の認知行動療法も進化してきたと言っても過言ではない。
本稿では,CBTがどのように進化し,現在の形となったのかなどについて,若干の考察を交え紹介したい。
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