Japanese
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特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する
日本精神神経学会「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」について
Medical Treatment in Accordance with “The Diagnostic and Therapeutic Guidelines for Patients with Gender Identity Disorder;The 4th Edition(The Japanese Society of Psychiatry and Neurology)”
松本 洋輔
1
Yosuke Matsumoto
1
1岡山大学病院ジェンダーセンター
1Gender Center, Okayama University Hospital, Okayama, Japan
キーワード:
ジェンダークリニック
,
gender clinic
,
チーム医療
,
collaborative approach for medicine
,
母体保護法
,
Maternal Health Act
,
違法性阻却事由
,
justifiable cause
Keyword:
ジェンダークリニック
,
gender clinic
,
チーム医療
,
collaborative approach for medicine
,
母体保護法
,
Maternal Health Act
,
違法性阻却事由
,
justifiable cause
pp.1118-1126
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206719
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抄録 日本精神神経学会「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」は,性別違和を持つ人に対する身体的治療を行う医療機関で標準的に使われている。策定された理由に性別適合手術の違法性を阻却することが含まれていたため,比較的厳密に運用される傾向にある。複数診療科によるチーム医療の実施を一貫して求める一方,臨床の実際や社会的な状況に応じて柔軟に改訂されてきている。2018年4月からガイドラインに沿って行われた性別適合手術は保険診療化されることになった。保険診療化にあたってGID学会認定医が医療チームの中心となることが求められており,ガイドラインに日本精神神経学会以外の学会が認定する医師について記載されるようになった。2019年に採択されたICD-11で性同一性障害はgender incongruenceと改称され精神疾患のカテゴリーから外れることになったこともあり,精神科医の役割は依然として重要であるものの,ガイドラインの策定は他の学会との共同で行うことが望ましい状況となっている。
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