Japanese
English
特集 家族支援を考える
妊娠・出産をめぐるこころの問題
Perinatal Mental Health from Life Course Perspective-Affiliative neuroscience approach and resilience based intervention
山下 洋
1
Hiroshi Yamashita
1
1九州大学病院子どものこころの診療部
1Department of Child Psychiatry, Kyushu University Hospital, Fukuoka, Japan
キーワード:
周産期メンタルヘルス
,
perinatal mental health
,
親和的神経科学的アプローチ
,
affiliative neuroscience approach
,
生涯
,
life course
,
ボンディング
,
mother to infant bonding
,
予防的介入
,
preventive intervention
Keyword:
周産期メンタルヘルス
,
perinatal mental health
,
親和的神経科学的アプローチ
,
affiliative neuroscience approach
,
生涯
,
life course
,
ボンディング
,
mother to infant bonding
,
予防的介入
,
preventive intervention
pp.389-397
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206590
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抄録 周産期の親子をとりまく生活環境は20世紀以降,急速な変化と大きな多様性を持つようになり,COVID-19パンデミックはその過程をさらに加速したと考えられている。今まさに育ちつつあり新たに世界に生まれ出てくる命にとって,どんな環境を整えればよいのかという現代社会の共通の問いに導かれ,世界各国で大規模なコホート調査が進行している。親世代の生活習慣と並んで,不安などのこころの問題もまた,周産期の段階から子どものこころと身体の育ち,健康に影響を与えている可能性が明らかになった。
また出生後では子どもの情動制御や社会認知の発達を促す早期環境として親が一貫して養育的ケアを提供することは重要な側面である。精神医学におけるレジリエンス概念として親密な絆形成の過程が脳科学の領域からも注目され,affiliative neuroscience approachが提唱されている。ライフコースを通じたこころの問題の起点として情緒的絆は親子2世代の幅広いメンタルヘルスに繋がる疾患横断的な要因であり,予防的介入プログラムの重要な指標として多領域で臨床と研究のエビデンスが蓄積されている。
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