Japanese
English
特集 自殺の現状と予防対策—COVID-19の影響も含めて
医療安全の観点からの自殺予防
Suicide Prevention from the Viewpoint of Patient Safety
松村 由美
1
Yumi Matsumura
1
1京都大学医学部附属病院医療安全管理部
1Department of Patient Safety, Kyoto University Hospital, Kyoto, Japan
キーワード:
患者安全
,
patient safety
,
インシデント報告
,
incident reporting
,
医療安全研修
,
patient safety education
Keyword:
患者安全
,
patient safety
,
インシデント報告
,
incident reporting
,
医療安全研修
,
patient safety education
pp.1091-1098
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206407
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抄録 日本では,医療機関における患者の自殺事故の現状に関するデータが報告・収集され,自殺対策の有効性評価の指標が構築されつつある。ところが自殺事故の発生件数が減ることはなく,患者の自殺を減らす取り組みが医療機関には求められている。そこで,方策の1つとして,医療安全管理部門を活用した患者の自殺を減らす取り組みを紹介する。
自殺,自殺未遂をインシデント報告対象と定めることによりリスクを認知することができる。また,医療法で求められている職員向けの医療安全の研修において,自殺予防対策を取り上げることも効果的である。さらに発展的な方法として,精神科リエゾンチームの設置や公認心理師の雇用が挙げられる。その場合も,専門家だけが対応するのではなく,院内での横の連携が重要である。医療安全管理部門は,患者安全を目的として活動しているので,患者安全のための新たな組織やシステム作りにかかわることができる。
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