Japanese
English
特集 自殺の現状と予防対策—COVID-19の影響も含めて
子どもの自殺
Child Suicide
山田 敦朗
1
Atsuro Yamada
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野
1Department of Psychiatry and Cognitive-Behavioral Medicine, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
キーワード:
自殺
,
suicide
,
自殺行動
,
suicidal behavior
,
子ども
,
children
,
青年
,
adolescents
,
若年者
,
youth
Keyword:
自殺
,
suicide
,
自殺行動
,
suicidal behavior
,
子ども
,
children
,
青年
,
adolescents
,
若年者
,
youth
pp.1051-1061
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206403
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抄録 子どもの自殺は,15歳以降に急激に増大し,死因においても1〜2位,「15〜19歳」で第1位である。日本の自殺者数全体は減少傾向にあるものの,若年層の自殺者数の減少は他の年代と比べて減少幅が小さい。2020年にはCOVID-19感染症の流行に関連して自殺者数が増大し小中高生の自殺者数が最多の499人に上った。子どもの自殺は,年齢によって大きく特徴が異なる。15歳未満では頻度は少ないものの,学童前の子どもでも自殺行動をとることがある。若年の子どもでは,自殺念慮の表出が少ない,自殺企図や自殺に先行するイベントが少ない,事故なのか自殺なのかの判別が困難な例も少なくない,注意欠如・多動症の合併の割合が高いといった特徴がある。原因としては家庭問題,学校問題,精神疾患の合併が主であるが,要因は複数にわたり特定が難しい。予防においては家庭や学校が中心となる。学校における予防教育,家庭での致死的手段のアクセスの制限なども重要である。
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