Japanese
English
特集 身体症状症の病態と治療—器質因がはっきりしない身体症状をどう扱うか?
老年期における身体症状症—認知機能との関連も含めて
Somatic Symptom Disorder in Geriatric Patients and Its Relation with Cognitive Function
都留 京子
1
,
稲村 圭亮
1
Kyoko Tsuru
1
,
Keisuke Inamura
1
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
老年期
,
geriatric
,
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
SSD
,
認知機能
,
cognitive function
,
実行機能
,
executive function
Keyword:
老年期
,
geriatric
,
身体症状症
,
somatic symptom disorder
,
SSD
,
認知機能
,
cognitive function
,
実行機能
,
executive function
pp.1605-1611
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206237
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抄録 老年期における身体症状症は,加齢に特徴付けられるさまざまな要因と関連しており,若年者とは異なる背景基盤が存在する。代表的な心理機制として「心気症状」が挙げられ,実臨床における介入方法の決定には,これに対する洞察の有無の確認が重要である。洞察の有無に応じて,森田療法やフィルターモデルといった適切な疾患モデルを用いて症状を解釈することが治療の一助になると考えられる。また,老年期における認知機能の低下も重要な背景因子の1つであり,身体症状症においては特に実行機能との関連が指摘されている。患者の認知機能を把握し,特に機能が低下している項目についてはそれを補うべく社会資源や治療を提供することが望まれる。
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