Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
統合失調症—共同意思決定の文脈をもとに
Accepting a Treatment in Patients with Schizophrenia:A perspectives from the context of shared decision making
山口 創生
1
,
安間 尚徳
1
Sosei Yamaguchi
1
,
Naonori Yasuma
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部
1Department of Community Mental Health & Law, Institute of Mental Health, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
pp.1607-1615
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206484
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抄録 統合失調症患者との話し合いの中で,患者が自身の疾患を実感し,彼らが納得する治療を提供することは,精神科の医師にとって大きな関心事と思われる。他方,その実現は容易ではないかもしれない。たとえば,共同意思決定(shared decision making:SDM)の研究は,患者と治療について話し合うことに関する現実的な課題として,意思決定能力,疾患特性,患者を取り巻く環境,医師の職業的特性,日本の文化的特徴,診療システムの限界などを指摘している。そのような中,患者の治療に関する納得感を促進するためには,診察中の治療内容の決定だけにとらわれすぎず,患者の生活全体を支援する視点が必要になると推察される。より具体的には,「共に悩む」関係性の構築,医師以外のスタッフとの診察準備,患者が治療の経験を蓄積できるように多職種チームで支援することなどが解決の糸口となる可能性がある。
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