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特集 精神科臨床における共同意思決定(SDM)
共同意思決定支援ツール「質問促進パンフレット」と「診察サプリ」の作成の試み
Development of Shared Decision Making Tools—“Question Prompt Sheet” and “Medical Care Supplement”
熊倉 陽介
1
,
金原 明子
2
,
金田 渉
3
,
笠井 清登
2
Yousuke Kumakura
1
,
Akiko Kanehara
2
,
Sho Kanata
3
,
Kiyoto Kasai
2
1東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野
2東京大学医学部附属病院精神神経科
3帝京大学医学部精神神経科学講座
1Department of Mental Health, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, The University of Tokyo Hospital
3Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
共同意思決定
,
shared decision making
,
共同意思決定支援ツール
,
shared decision making tool
,
質問促進パンフレット
,
question prompt sheet
,
コミュニケーション
,
communication
Keyword:
共同意思決定
,
shared decision making
,
共同意思決定支援ツール
,
shared decision making tool
,
質問促進パンフレット
,
question prompt sheet
,
コミュニケーション
,
communication
pp.1359-1367
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206199
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抄録 筆者らは,精神疾患を持つ人が精神科の診察場面で主治医にききたいことをきき,より良いコミュニケーションをするための共同意思決定支援ツールである「質問促進パンフレット」と「診察サプリ」を作成したため紹介する。このような共同意思決定支援ツールを使用すること自体が,必ずしも共同意思決定を実践していることを意味するわけではないという点には注意が必要である。たとえば,患者が質問促進パンフレットを用いて医師とコミュニケーションをとろうとしても,医師が共同意思決定の実践に対して前向きでなければ患者は医師に相談しづらい可能性が示唆されている。共同意思決定は,患者と医師が協力して実施する継続的なプロセスであるという認識を持ちながら,具体的な場面ごとにどのようなツールや取り組みが有効か,臨床実践と研究を精緻に積み上げ,実装と普及を試みていくことが今後の課題であろう。
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