Japanese
English
特集 精神科診断分類の背景にある考え方
フランス精神医療の諸相—20世紀後半から今日まで
Perspectives of Contemporary French Psychiatry since the Second Half of the 20th Century
阿部 又一郎
1
,
大島 一成
2,3
Yuichiro Abe
1
,
Kazunari Oshima
2,3
1有隣会伊敷病院
2東京福祉大学
3東京医科歯科大学精神行動医科学分野
1Ishiki Hospital, Kagoshima, Japan
3Tokyo University and Graduate School of Social Welfare
キーワード:
フランス精神医学
,
French psychiatry
,
フランス精神分析
,
French psychoanalysis
,
セクトリザシオン
,
sectorization
,
インターセクター
,
intersecter
,
精神病
,
psychosis
Keyword:
フランス精神医学
,
French psychiatry
,
フランス精神分析
,
French psychoanalysis
,
セクトリザシオン
,
sectorization
,
インターセクター
,
intersecter
,
精神病
,
psychosis
pp.823-835
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206119
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抄録 20世紀後半から今日にいたるフランス精神医療の理解には,セクトリザシオンと呼ばれる地域精神医療システムと同時に,相補する形で展開するインターセクターの流れも把握しておく必要がある。本稿では,フランス精神医学の特徴である精神分析の影響として,精神病に対するアプローチおよび急性精神病をめぐる議論と治療についての諸概念を紹介する。臨床と治療の理論は一体であり,これらの領野においても臨床的事実から治療の理論を再構成する立場が根強くみられる。20世紀後半以降の臨床の変容を通してみると,長い歴史を持つフランス精神医療において,精神疾患の診断分類の背景にある考え方にも複数の流れや対立する動きがあることが分かる。
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