Japanese
English
特集 精神科診断分類の背景にある考え方
DSM分類の背景にある精神疾患論—セントルイス学派の思想
The Etiology of a Mental Disorder in the Background of DSM Classification:The thought of St Louis school
古茶 大樹
1
Hiroki Kocha
1
1聖マリアンナ医科大学神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, St Marianna University School of Medicine, Kawasaki, Japan
キーワード:
セントルイス学派
,
St Louis school
,
DSM-Ⅲ
,
診断
,
diagnosis
,
分類
,
classification
Keyword:
セントルイス学派
,
St Louis school
,
DSM-Ⅲ
,
診断
,
diagnosis
,
分類
,
classification
pp.837-845
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206120
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抄録 DSM分類の原点であるDSM-Ⅲは,セントルイス学派の思想に強く影響を受けている。彼らのモットーは,精神医学を実証主義に基づく医学的モデルに近づけることであった。1970年にRobinsとGuzeは,精神医学的診断の妥当性と信頼性を確立するための5つの局面(phase)を提唱した。この提案がその後の精神医学の歴史に大きな影響を与えることになる。続くFeighner基準は彼らの思想を具体化した最初の試みであり,DSM-Ⅲを託されたSpitzer Rの目に止まった。同学派は一般的には器質論と目されがちだが,彼らはそれに反発し,自らを不可知論と位置付けている。同学派の主張を概説し,DSM分類とのかかわりに触れ,現在彼らが精神疾患をどのように捉えているのかを論じた。
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