Japanese
English
特集 精神科診断分類の背景にある考え方
Kurt Schneiderの臨床精神病理学—現在の精神科診断分類の補助線として
Schneider's Clinical Psychopathology as an Aid to Today's Psychiatric Diagnostic Classification
針間 博彦
1
Hirohiko Harima
1
1東京都立松沢病院
1Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
精神病
,
psychoses
,
内因性精神病
,
endogenous psychoses
,
発生的了解
,
genetic understanding
,
生の発展の意味連続性
,
continuity of meaning of life development
,
1級症状
,
first-rank symptoms
Keyword:
精神病
,
psychoses
,
内因性精神病
,
endogenous psychoses
,
発生的了解
,
genetic understanding
,
生の発展の意味連続性
,
continuity of meaning of life development
,
1級症状
,
first-rank symptoms
pp.813-821
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206118
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 Schneiderの臨床精神病理学は,伝統的診断として操作的診断と対比されるとともに,後者の出発点となったという二つの側面がある。Schneiderの精神医学とDSMやICDなど現在の診断体系は,心身二元論に基づく,精神病理学的な症候学による診断という点において共通する。一方,Schneiderのアプローチの特徴である,第1に医学的な疾患概念に従って非疾患群と疾患群を区別したこと,第2に内因性精神病を疾患群に組み入れたこと,第3にJaspersの了解概念を臨床に取り入れたことは,現在の診断分類にほとんど反映されていない。診断上は,これらの視点を補助線として用いることによって,現在の診断分類が補完され得るものと思われる。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.