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編集後記
T. A.
pp.736
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205856
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振り返ってみて,わが国に認知行動療法が導入されたのはいつの頃になるのだろうか? 筆者が研修医のころに盛んにその名前を耳にするようになったという記憶が正しければ,おそらく30年ぐらい前になるのではないだろうか? 以降,EBMの隆盛にも支えられ,文字通りあまたのエビデンスによってその効果が支持される精神療法として,認知行動療法は精神科治療の大きな柱として不動の地位を占めるに至っている。現在は,わが国においても保険診療の対象となっていることから,国が認めた数少ない精神療法ともいえる。
そして薬物療法を含めたあらゆる治療技法同様,精神療法も変化し,進歩する。認知行動療法も新世代あるいは第三世代の治療技法として,本号の特集であるマインドフルネス療法や,その他アクセプタンス&コミットメント・セラピーなどが紹介されるようになってきた。中でもマインドフルネスに関しては,現在,医学・医療の世界のみならず,教育現場や職域におけるストレスマネジメントとして導入されるなど,いわばブームとして世の中を席捲しているといっても過言ではない。Googleがマインドフルネスを研修に導入したというニュースをご覧になられた読者諸氏も多いのではないだろうか?
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