特集 不眠症の治療と睡眠薬
特集にあたって
内山 真
1
1日本大学医学部精神医学系
pp.925
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205667
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横断的疫学調査によれば,日本在住成人の約5人に1人が症状としての不眠を持ち,約10人に1人が睡眠困難に日中のQOL低下を伴う不眠症で,約20人に1人が過去1か月の間に睡眠薬を使用している。縦断的調査からは,不眠がうつ病などの精神疾患や,高血圧,糖尿病,高脂血症などの身体疾患のリスクとなることが報告され,心身の健康保持にかかわる重要な問題ととらえられるようになった。
臨床現場においては,ベンゾジアゼピン受容体作動薬に加え,メラトニン受容体作動薬,オレキシン受容体拮抗薬が開発され,異なった作用機序を持つ薬剤の登場で不眠症医療が大きく進むことが期待された。しかし,臨床における不眠症の病態はきわめて複雑で未解明な点が多く,異なる作用機序を持つ睡眠薬の特徴を生かした治療ガイドラインやアルゴリズムは国内においても海外においても開発途上である。
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