Japanese
English
研究と報告
アルコール離脱症状としての振戦せん妄を発症した慢性アルコール中毒の1症例
A Case of Alcoholic with Deilirum Tremens, as a Withdrawal Syndrome
小片 寛
1
,
小宮山 徳太郎
1
,
庄田 秀志
1
,
中沢 信之
1
Hiroshi Ogata
1
,
Tokutaro Komiyama
1
,
Hideshi Shoda
1
,
Nobuyuki Nakazawa
1
1信州大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Faculty of Med., Shinshu Univ.
pp.1191-1197
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202552
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Ⅰ.序論
われわれはアルコール禁断症状の発現を長期のアルコール乱用の結果として経験的に理解してきた。しかも,禁断症状としては身体症状および神経学的症状に重点がおかれ,精神症状は禁断症状と推測されながらもなおacute alcoholic psychosesとして把握される傾向があった。更に,アルコール中毒の臨床診断基準の1つとして飲酒による家庭・社会生活における対人関係の破綻と逸脱行為が安易に使われてきた。
第1の問題については,近年わが国でもいわゆるalcoholic psychosesのいくつかがアルコール離脱による一過性の禁断現象であることが紹介されてきた10,15,19)。しかしなお,その認識が充分であるとはいえない。
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