Japanese
English
特集 超高齢期の精神疾患
超高齢期のアルコール問題
Alcohol-related Problems in Very Elderly People
木村 充
1
Mitsuru Kimura
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター精神科
1National Hospital Organization, Kurihama Medical and Addiction Center, Yokosuka, Japan
キーワード:
超高齢期
,
oldest-old
,
アルコール使用障害
,
alcohol use disorder
,
認知症
,
dementia
Keyword:
超高齢期
,
oldest-old
,
アルコール使用障害
,
alcohol use disorder
,
認知症
,
dementia
pp.71-76
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206540
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抄録 80代後半以降の超高齢者が典型的なアルコール依存症として専門外来を受診するケースは少ないが,介護現場では飲酒による問題にしばしば遭遇する。飲酒による問題として,ふらつき,転倒,酩酊による興奮,介護への抵抗などが代表的なものである。加齢による要因から,比較的少量の飲酒でも影響を受けやすくなる。認知症と飲酒問題を合併する例もしばしばある。多量飲酒は認知症のリスクを上げると考えられるが,超高齢者では変性疾患による認知症に飲酒問題が合併した例が多いと考えられる。そのようなケースでも飲酒への介入が予後の改善に役立つことがある。認知症を合併したアルコール依存症では,本人の治療への動機付けが困難なことが多いため,環境調整や家族,介護者,医療機関を含めた協力が必要である。
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