特集 改正道路交通法と医療の視点
特集にあたって
井上 有史
1
Yushi INOUE
1
1静岡てんかん・神経医療センター
1National Epilepsy Center, Shizuoka Institute of Epilepsy and Neurological Disorders, Shizuoka, Japan
pp.291
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205357
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安全な交通社会の実現はすべての人の願いである。安全な運転には,認知,予測,判断,操作などの能力が必要とされるが,ある特定の病気はこれらの能力の一部または全部を失う可能性があるとされ,法律で規制されている。
1960年の道路交通法では,リスクが高いと想定された病気のある人は一律に運転禁止とされた。2002年には,運転の可否は個別に判断されることとなったものの,「一定の病気」のある人には適性判定を適宜求めることとされた。「一定の病気」として明記されたのは,統合失調症,てんかん,再発性の失神,無自覚性の低血糖症,そううつ病,重度の眠気の症状を呈する睡眠障害,認知症である。
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