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展望
代謝異常による精神発達障害の治療—第1回
Medical Treatment on Developmental Disabilities due to Metabolic Disorders (1)
成瀬 浩
1
Hiroshi Naruse
1
1国立精神・神経センター神経研究所,診断研究部
1Division of Early Detection of Handicapped, National Institute of Neuroscience, National Center of Neurology and Psychiatry
pp.6-15
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204448
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I.はじめに
精神発達障害という場合,主なものは精神遅滞であるが,精神遅滞という場合には,知能低下が,平均の-2S. D. を越えるものという定義が広く使用されている。このような知能低下は示さないで,しかも精神発達の障害を示すものとして,注意欠陥症候群,自閉症などが考えられる。(DSM-Ⅲの発達障害の頃では,他にReactive attachment disorder of infancyが含まれる。しかしこれらは代謝異常とは関係ないと推論されるので,ここでは除外する。)
これらの障害と関係ある代謝異常としては,先天性代謝異常が主なものであるが,他に,先天性水俣病あるいは鉛中毒などの中毒によるものがある。また,自閉症患者の一部には,先天性か否かは全く不明だが,ある種の代謝異常が存在することも発見されている。これらの問題の中で筆者の関心のある面を中心にして,最近のトピックに触れてみたい。
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