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特集 老年精神医学
老年期のリエゾン精神医学—老人診療の場で「リエゾン」を考える
Liaison Psychiatry in Old Age
木戸 又三
1
Matazō Kido
1
1東京都老人医療センター精神科
1Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
pp.73-79
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204274
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I.はじめに
Liaison Psychiatry10,17)あるいはConsultation-Liaison Psychiatry11)は,身体疾患を有する患者の精神的な問題を,積極的に,あるいは他科からの依頼に応じて取扱う,精神医療の分野である。しかし筆者がここで論じようとするのは,このような精神科から他の診療科への関与だけではなく,老人医療における精神科と他科との相互のリエゾン(連携)の問題である。この問題は非常に重要であり,このようなリエゾンなしには老人の精神科診療は成り立たないといっても過言ではない。このことは老年病の一つの特徴がmultiplepathology8),すなわち一人で多くの疾患を持っていることにあり,また老人の治療にあたっては,常に根底にある老化ということを念頭におかねばならない9)ことを考えれば容易に理解されよう。
このような精神科と他科との相互のリエゾンの問題を中心に据えて,老人医療の現状について考えてみたい。
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