Japanese
English
特集 リエゾン精神医学の現状と今後の展望(Ⅱ)
小児医療とリエゾン精神医学
Psychiatric Consultation for Physically Ill Children and Adolescents
三上 克央
1
Katsunaka MIKAMI
1
1東海大学医学部専門診療学系精神科学
1Department of Psychiatry, Tokai University School of Medicine, Isehara, Japan
キーワード:
Psychosomatic medicine
,
Consultation
,
Children
,
Adolescents
,
Critical care
Keyword:
Psychosomatic medicine
,
Consultation
,
Children
,
Adolescents
,
Critical care
pp.251-257
発行日 2015年4月15日
Published Date 2015/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204887
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はじめに
小児は,精神的にも身体的にも発展途上であり,また経験が乏しいことから,身体疾患にさらされ未知の環境下で治療を余儀なくされた場合,さまざまなストレス反応を呈することが予想される。そして,小児が身体疾患のため過酷な入院治療を必要とした場合,情緒の安定を保てず治療環境への適応が難しくなり,治療や必要な処置への抵抗や拒否を示すことがしばしば経験される8)。このような身体疾患への適応上の問題,すなわち身体疾患に関連する精神症状(身体疾患に伴う抑うつや不安など)やストレス因子による身体化症状に対する評価と対応が,小児のコンサルテーション・リエゾン(以下リエゾン)精神医学の柱の1つである。
一方,小児のリエゾン精神医学のもう1つの柱として,自殺関連行動(自殺念慮や自傷行為,自殺企図など)の評価と対応が挙げられる。中でも自殺企図後の小児は総合病院の救命救急施設に搬送されるため,救急現場における小児リエゾンの対象となる。
本稿は,上記の課題を一般病棟と救急現場での問題として再構成し,リエゾンの対象となる小児の評価と対応について,自験例を交えながら考察したい。なお,本稿で論ずる小児は,思春期症例も含む概念,すなわち,児童思春期症例を念頭に置いた概念とする。
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