Japanese
English
研究と報告
退行期精神病とvorzeitige Versagenszustände(Beringer und Mallison)
Die Psychosen der Rückbildungsjahre und die vorzeitige Versagenszustände (Beringer und Mallison)
近藤 重昭
1
Shigeaki Kondo
1
1公立角館総合病院精神科
1Psychiatrische Abteilung des allgemeinen Krankenhauses Kakunodate
キーワード:
Senilitas
,
Dementia
,
vorzeitige Versagenszustände
,
Involutional psychosis
Keyword:
Senilitas
,
Dementia
,
vorzeitige Versagenszustände
,
Involutional psychosis
pp.403-411
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204132
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抄録 臨床家の多くは,退行期(広義)に発症する精神病の診断に苦慮する。この時期の精神病状態のもつ,成因の多因子性,症状の多様性,不安定性などによるのであろう。退行期は単に成年期の延長ではなくて,成年期とは異なった,固有の生物学的基盤である老化と精神の退行,発展を意味している。精神病状態は,この期の心身の均衡,調整の破綻の表現である。退行期初発の機能性精神病を成人の精神病の遅発型とみなすとき,老化プロセスは,退行期に普遍的で,しかも非特異的であるゆえに,成因性は否定されてきた。1949年,Beringer und Mallisonによって提起されたvorzeitige Versagenszuständeは正常老化と病的老化の重合する中間例であるが,臨床作業概念としても重要な意義をもっている。著者はvorzeitige Versagenszuständeを退行期発症の精神病状態の公分母として理解し,これに諸因子の関与を仮定することによって,症候学的に類型化される様々な退行期精神病を統括してみたのである。
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