Japanese
English
研究と報告
頭部戦傷者の長期予後―受傷後40年の予後調査
Follow-up Study of Posttraumatic Sequelae after 40 Years from the Head Injury by World War II
木暮 龍雄
1
,
西尾 正人
1
,
林 左武郎
1
,
上野 陽三
2
Tatsuo Kogure
1
,
Masato Nishio
1
,
Saburo Hayashi
1
,
Yozo Ueno
2
1国立下総療養所精神神経科
2日本大学医学部精神神経科
1National Shimofusa Sanatorium
2Neuropsychiatric Department of Nihon University School of Medicine
キーワード:
Follow-up study
,
Posttraumatic sequelae
,
Head injury by World War II
Keyword:
Follow-up study
,
Posttraumatic sequelae
,
Head injury by World War II
pp.69-80
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203703
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抄録 我々は第二次大戦における頭部戦傷者を対象にして予後調査を行った。昭和26年,40年にも同様な調査が下総療養所によって行われており,調査内容は経過概況,自覚症状,精神症状,各種身体症状,日常生活状況を中心としたアンケート調査形式によるものである。調査結果について,前2回のそれらと比較検討を行った。その結果頭部戦傷による自覚症状は,前2回と比較して頻度において変りなく,強固に持続されていることが示された。精神症状,各種身体症状においては,加齢とともにその頻度の上昇傾向が認められ,今後個々の具体例につき老化の脳損傷に与える影響について詳細な検討が必要と思われた。経過概況では悪くなったとする対象群の増加と,良くなったとする対象群の減少が認められ,特にけいれん群でその傾向が顕著で,日常生活でも種々の問題をかかえているけいれん群の経過の特異性が注目された。
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