Japanese
English
研究と報告
口部ジスキネジアと分裂病性痴呆
Oral Dyskinesia and Schizophrenic Dementia
大山 繁
1
,
松永 哲夫
1
,
野浦 洋子
1
,
武原 重春
1
Shigeru Oyama
1
,
Tetsuo Matsunaga
1
,
Yoko Noura
1
,
Shigeharu Takehara
1
1熊本大学医学部神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Oral dyskinesia
,
EEG
,
Hasegawa's dementia rating Scale
Keyword:
Schizophrenia
,
Oral dyskinesia
,
EEG
,
Hasegawa's dementia rating Scale
pp.81-86
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203704
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抄録 神経遮断剤により惹起された口部ジスキネジアを有する分裂病患者40例(ジスキネジア群)と,性,年齢,分裂病の罹病期間,学歴の一致した対照患者40例(対照群)に,脳波検査と長谷川式簡易知的精神機能評価スケール(DRスケール)のテストを行った。また約半数の患者で血中プロラクチン値(PRL)を測定した。異常脳波の出現率とPRLは,ジスキネジア群,対照群に有意差は認められなかった。DRスケールではジスキネジア群が知的機能低下はより著明であった(p<0.005)。
ジスキネジア群に認められた有意の知的機能低下は,異常脳波出現率やPRLに差がないことや最近の分裂病患者の知的機能に関する報告とあわせ考えると,神経遮断剤の副作用だけでは説明困難と思われた。分裂病患者のなかには知的機能低下を来す亜型の存在が推定されているが,そのような一群の患者によりジスキネジアが発症しやすいのかもしれない。
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