Japanese
English
研究と報告
視覚誘発電位による感情精神病の研究(その2)—双極症例における躁・うつ両病相の比較
Visual Evoked Potentials in Bipolar Affective Disorders
遠藤 俊吉
1
,
佐伯 彰
1
,
倉岡 幸令
1
,
落 裕美
1
,
田島 祐三
1
,
広瀬 貞雄
1
Shunkichi Endo
1
,
Akira Saeki
1
,
Yoshinori Kuraoka
1
,
Hiromi Ochi
1
,
Yuzo Tajima
1
,
Sadao Hirose
1
1日本医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
キーワード:
Visual evoked potentials
,
Mental task loading
,
Bipolar affective disorders
Keyword:
Visual evoked potentials
,
Mental task loading
,
Bipolar affective disorders
pp.467-475
発行日 1983年5月15日
Published Date 1983/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203581
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(1)14例の双極性感情精神病者において改変した門林らの方法を用い,精剛乍業負荷後の視覚誘発電位(VEP)P玉100波の振幅動態を調べ,その躁・うつ両病相の振幅動態を比較検討した。
(2)全14例中観察期間内に躁.うつ両病相を迹続的に示したものは8例で,このうち5例では,先行するうつ病相とこれに連続する躁病相の双方で対比的にVEPを記録できたが,3例では両病相のどちらか一方でしか記録しえなかった。また観察期間中に躁病相のみ呈したもの3例,うつ病相のみ呈したもの3例で,各々それぞれの病相でVEPを記録した。
(3)躁病相では,観察期間中躁病相のみ呈したものも,うつ病相から連続的に躁転したものも,その精神作業負荷後の平均振幅比は高値で平均130.1±16.2%であり,精神作業負荷後のP100波振幅の増大が示された。うつ病相では,躁病相に先行したものではその平均振幅比が平均79.3±13.7%と低く,これに連続した躁病相の平均129.5±19.2%に比し有意な対照的差異を示した。うつ病相のみ孤立的に呈した症例は3例のみであるが,その平均振幅比の平均値は126.3±14-0%と高値であった。
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