Japanese
English
特集 大脳誘発電位研究の現況
視覚誘発電位
Visual Evoked Potentials
黒岩 義之
1
,
東儀 英夫
1
Yoshiyuki Kuroiwa
1
,
Hideo Tohgi
1
1岩手医科大学神経内科学講座
1Department of Neurology, Iwate Medical University
pp.889-904
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205577
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
光刺激により生じた網膜の視細胞の興奮が視覚神経伝導路を経て,大脳の視覚頷に伝達した結果として視覚大脳誘発反応が得られる(visual evoked cortical poten—tial)。一方,視神経,視束,視放線などの皮質下伝導路に起源を有すると考えられるのが短潜時視覚誘発反応である(visual evoked subcortical potential)。
これらの視覚誘発反応の研究分野では臨床的に有用な結果を得るための方法上の検討,種々の疾患に対する臨床的応用,更には基礎的動物実験の3つの面から研究が行われている。すなわち方法上の検討としては(1)有効な観覚刺激方法の開発,(2)電極配置法などの記録技術の検討があり,臨床的応用としては(1)誘発反応の潜時や電位分布に関する定量的パラメーターについて正常域を設定すること,(2)視覚伝導路障害の臨床例への応用,(3)パーキンソン病などの変性疾患への応用,(4)光に対する反射性骨格筋収縮が病的に高まっている臨床例への応用,(5)視空間失認など高次大脳機能障害への応用,(6)人間におけるextrageniculo-calcarine path—wayの解明などがある。基礎的動物実験は臨床神経生理学的研究と相まって重要な知見を与えてくれる。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.