Japanese
English
研究と報告
セネストパチーと躁うつ病—自験例と展望
A Syndrome of Cenesthopathia in Manicdepressive Psychosis: Its review and a report on cases
遠藤 俊吉
1
,
山本 裕水
1
,
福田 博文
1
,
守谷 直樹
1
,
広瀬 貞雄
1
Shunkichi Endo
1
,
Hiromi Yamamoto
1
,
Hirofumi Fukuda
1
,
Naoki Moriya
1
,
Sadao Hirose
1
1日本医科大学精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
キーワード:
Cenesthopathia
,
Manic-depressive psychosis
,
Acarophobia
,
Cotard's syndrome
Keyword:
Cenesthopathia
,
Manic-depressive psychosis
,
Acarophobia
,
Cotard's syndrome
pp.27-34
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203362
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抄録 躁うつ病とセネストパチーの関連については,Schwartzをはじめかなりの報告がみられる。しかしながら,そこで記載されているセネストパチーならびにそれが出現する病相は各報告によりさまざまで決して一様ではない。そこでわれわれはこの領域の報告を展望し,3例の自験例を加えて考察を行った。症例1は若年期に発病した両相型であるが,うつ病相で顔面などの崩壊感,神経切断感などを示し,症例2は初老期発病の循環型で,その異常体感は主として軽躁病期にみられ,口内・喉の縮小感,歯の溶解・消失感,頭内空虚感などむしろCotard症候群に近いものであり,Schwartzのいう限局性心気症あるいは皮膚寄生虫妄想類似のものではなかった。症例3は老人性うつ病例であり,うつ病相に皮膚寄生虫妄想類似の症候を示す症例に属するものであった。
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