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研究と報告
てんかん患者の電解質異常(Ⅰ)—抗てんかん剤とくにアセタゾールアミドの血清電解質と臨床症状に及ぼす影響
Electrolyte Abnormalities in Epileptic Patients (Ⅰ): Effects of antiepileptic drugs, especially acetazolamide on serum electrolytes and clinical symptoms
武井 満
1
,
関 章司
2
,
石川 信義
2
,
福田 稔
3
Mitsuru Takei
1
,
Shoji Seki
2
,
Nobuyoshi Ishikawa
2
,
Minoru Fukuda
3
1東京都立府中療育センター
2三枚橋病院
3群馬大学医学部神経精神科教室
1Metropolitan Medical Center of the Severely Handicapped
2Sanmaibashi Mental Hospital
3Department of Neuropsychiatry, Gumma University, Medical School
キーワード:
Epilepsy
,
Antiepileptic drugs
,
Serum electrolytes(Ca,K,Na,Cl)
,
Acetazolamide
,
Growth inhibition
Keyword:
Epilepsy
,
Antiepileptic drugs
,
Serum electrolytes(Ca,K,Na,Cl)
,
Acetazolamide
,
Growth inhibition
pp.35-42
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203205
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抄録 てんかん患者の血清電解質を検索し,低Ca,低Na,高Cl血症をみとめた。低Ca血症についてはディフェニールヒダントイン,フェノバルビタールが原因薬剤として推定され,ビタミンD2とCa剤の投与を行なって血清Ca値の変動を持続的に観察したが,充分に正常安定化することはなく,てんかん患者の低Ca血症についてはビタミンD2の不足以外の要因も考えられた。低Na,高Cl血症についてはアセタゾールアミドが原因薬剤として推定されたことから,アセタゾールアミドの中止を行ない臨床症状の変化を観察した。その結果臨床発作と精神身体の発育に著しい改善がみとめられた。またアセタゾールアミドの急激な減量ないし中止によって,一過性でかつ同時に血清Na値の低下と血清K値の上昇がみとめられたことから,アセタゾールアミドの抗てんかん作用と,抗てんかん剤の断薬における発作多発の機序とについて考察し,抗てんかん剤は漸減が重要であることを強調した。
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