Japanese
English
研究と報告
てんかん患者の電解質異常(Ⅱ)—てんかん患者の血液放置において観察された血球内外の電解質変動異常
Electrolyte Abnormalities in Epileptic Patients (Ⅱ): Abnormal change of intra- and extracellular electrolytes observed in epileptic whole blood left as it is
武井 満
1
,
関 章司
2
Mitsuru Takei
1
,
Shoji Seki
2
1東京都立府中療育センター
2三枚橋病院
1Metropolitan Medical Center of the Severely Handicapped
2Sanmaibashi Mental Hospital
キーワード:
Epilepsy
,
Antiepileptic drugs
,
Intracellular electrolytes
,
Sodiumpotassium-ATPase
,
Calcium-ATPase
Keyword:
Epilepsy
,
Antiepileptic drugs
,
Intracellular electrolytes
,
Sodiumpotassium-ATPase
,
Calcium-ATPase
pp.153-159
発行日 1981年2月15日
Published Date 1981/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203218
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抄録 てんかん発作の発生機序や抗てんかん剤の作用機序を考えるうえで,細胞内外の電解質動態を知ることは重要であり,これまでてんかん患者の低Ca血症は知られている。しかし細胞内の電解質代謝については方法的に困難な点が多く臨床での知見は乏しい。
そこで血液を採血後血清分離せず放置すると血球内外で電解質の移動がおこる現象を利用して,てんかん患者の細胞内外における電解質動態とその機構について検討した。その結果,てんかん患者は血球外のCaが低下しているばかりでなく血球内のCa代謝についても異常が推定された。更にNaとKの双方の能動輸送に関与するエネルギーの異常が推定され,そのひとつとしてNa+-K+-ATPaseの活性の促進が考えられた。以上のことを抗てんかん剤の作用機序と副作用という観点から考察し,臨床症状に及ぼす影響との関連について論じた。
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