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研究と報告
抗てんかん薬服用者のカルシウム代謝異常—第1報 カルシウム代謝異常と酵素誘導
Altered Calcium Metabolism in Epileptic Patients Receiving Antiepileptic Drugs: The first report, Abnormality in calcium metabolism and enzymc indudion
五十嵐 良雄
1
,
原 律子
1
,
近藤 啓子
1
,
野口 拓郎
1
Yoshio Igarashi
1
,
Ritsuko Hara
1
,
Keiko Kondo
1
,
Takuro Noguchi
1
1埼玉医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Saitama Medical School
キーワード:
Antiepileptic drugs
,
Calcium
,
Enzyme induction
,
Serum vitamin D3 levels
Keyword:
Antiepileptic drugs
,
Calcium
,
Enzyme induction
,
Serum vitamin D3 levels
pp.1171-1179
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203669
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抄録 抗てんかん薬のカルシウム代謝に及ぼす影響を検討する目的で,抗てんかん薬服薬中の患者354例について,360例の抗精神病薬服用患者を対照群として,血清酵素,血清Ca,Pを測定した。抗てんかん薬投与群においてγ-GTP,GOT,Al-Pは有意な上昇を,Ca,Pは有意な低下を示した。また,γ-GTPとCa,Pの間に有意な相関を認め,抗てんかん薬において酵素誘導が一役をになっていることが推測された。一方,Ca,Pと血中phenobarbital,phenytoin濃度,薬物投与期間とが有意な相関をもち,これは比較的大量,長期にわたる抗てんかん薬のカルシウム代謝に及ぼす影響の反映と考えられた。13例のCa,P異常例でビタミンDの活性代謝産物である1α,25-(OH)2-D3と副甲状腺ホルモンを測定し,各3例に異常を認め,抗てんかん薬によるカルシウム代謝異常の1つの原因ではないかと考え,また,文献的に考察を行った。
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