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Ⅰ.海外の睡眠学会と日本睡眠学会
1.米国のAPSS睡眠学会 睡眠の科学的研究はすでに前世紀末からなされており,1949年には上行性網様賦活系,視床汎性投射系の存在が注目され睡眠と覚醒の問題について新しい概念が導入された。しかし,今日の睡眠研究の隆盛をもたらしたのは,1953年のDrs. Aserinsky and Kleitmanによる睡眠中に出現する急速眼球運動の発見とその後のDr. DementやDr. Jouvetによる逆説睡眠の研究であることはよく知られている。研究施設の項で述べるように,早くも1958年にはDr. Rechtschaffen(米)が最初の独立した睡眠研究施設を組織したのである。1961年には米国人を中心とした最初の睡眠学会を,睡眠精神生理学会(Association for the Psychophysiological Study of Sleep,略称:APSS)と命名し第1回学術集会を開催している。以後毎年1回米国内で開催され,本年は米国ではないがメキシコシテイの第20回APSS学術集会へと続くのである。筆者は1967年までのAPSSの活動についてまったく知らないので1968年以後の活動に関して簡単にふれる。学術集会の開催地とその世話人であるProgram Chairman,演題数の概算を列挙すると表1のようである。
この学会の目的は睡眠の精神生理に関心のある多方面の専門分野の研究者達が公式または非公式に意見を交換することである。あとでもふれるが1960年代は米国で夢の精神生理に多大の興味がもたれ心理学者の活躍が目立ったが,1970年代はより生物学的な研究に重点が移った。その委員会の組織は理事長,庶務理事(Secretary),プログラム委員長(3名),出版委員長,会員選考委員長,それに評議員(Member-at-Large)の3名ないし5名で構成されている。プログラム関係は前回と次回の委員長を加えて3名とし,評議員は3名の時代は米国とカナダで計2名,欧州から1名,1976年から5名となり米国とカナダで3名,欧州とその他の地区から各1名という原則であったが現実にはそれにこだわっていない。各委員とも任期は3年となっている。日本からは1973年から筆者,1976年から大川先生,1978年から高橋(康)先生が評議員に加わっている。なおまた理事長と庶務理事は1969年から,Drs. Kales & Pegram,1972年からDrs. Broughton & Emde,1975年からDrs. Weitzman & Karacan,1978年からDrs. Rechtschaffen & Rothとなった。
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