Japanese
English
創刊30周年記念特集 精神医学—最近の進歩 第1部
睡眠障害をめぐる諸問題—老年者の睡眠障害を中心に
Problems of Sleep Disorders: Centering around the sleep disorders in the aged
山口 成良
1
,
古田 寿一
1
Nariyoshi Yamaguchi
1
,
Hisakazu Furuta
1
1金沢大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiaty, Kanazawa University School of Medicine
pp.319-324
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204489
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
昭和60年度のNHKの国民生活時間調査33)によれば,平日の睡眠時間の国民平均は7時間43分となっている。また,同じ時期に行われた意向調査による成人の睡眠充足度についての結果では,25%が「やや,睡眠不足」であり,5%が「かなり,睡眠不足」と答えている。実に,成人の3人に1人が睡眠不足を感じているわけである。また,年齢については高齢になるにしたがい睡眠障害が増加する傾向が認められており,今後,急速に人口の高齢化が進むなかで睡眠障害に対する適切な対応が望まれるところである。
人間の日常生活のなかで,夜間の睡眠と日中の活動とは表裏一体の関係にあり,相互に影響しあっている。このことから,最近では睡眠障害は睡眠覚醒障害(sleep-wake disorder)としてとらえられてきている。この10年間における睡眠覚醒障害をめぐる動きを老年者に関する話題を中心に述べてみたい。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.