特集 睡眠研究—最近の進歩
座談会
睡眠研究の現状と将来
高橋 康郎
1
,
大熊 輝雄
2
,
菱川 泰夫
3
,
融 道男
4
,
松本 淳治
5
,
島薗 安雄
6
1東京都神経科学総合研究所
2東北大学医学部精神医学教室
3大阪大学医学部精神医学教室
4国立武蔵療養所神経センター
5徳島大学医学部第2生理学教室
6東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.578-588
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203105
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
§まえおき
司会(島薗) 1979年7月27日から31日まで,東京の日本都市センターホールで,第3回国際睡眠学会が行われましたが,ここにお集まりの方々を含めて,いろいろの方に大変ご尽力をいただきました。幸い外人が150人ぐらい,日本人を含めて500人ぐらい参加者があって,特に外国からは睡眠研究の第一人者とみなされる人々,あるいは睡眠を主要な研究テーマにして,それに取り組んでいるような人たちが,アメリカからも,またヨーロッパからも参加してくれました。そのためにただorganizationが良かったというだけではなく,科学的にも大変良かったということを,喜んでくれている人が多いわけです。4つのシンポジウム,4つのワークショップ,それから一般演題もありましたけれども,それぞれの所で大変熱心な討論があって,非常に生き生きとした学会が行われたという印象を強く持ちました。そして全体的な睡眠研究の現状とか,あるいは動向,将来の方向性といったものがこういう学会をやったことによって,従来よりもかなりはっきり浮き彫りにされたという印象を強く持ったわけです。皆さんも同じような感想を持たれたのではないかと思いますので,きょうはこれらの問題についてご自由にお話しいただきたいと思います。
そこで,早速内容的な話に入りますが,今度の学会では,基礎の,それこそ細胞レベルの問題から,病気,治療のことまで,広い範囲の問題が扱われたわけで,その全部にわたってお話しいただくわけにはいきませんが,特にわれわれ精神医学に携わる者として興味深い点に焦点を置いて,お話し願いたいと思います。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.