Japanese
English
研究と報告
Klinefelter症状群の心理テスト
Psychological Tests in Patients with Klinefelter's Syndrome
河田 信之
1,3
,
青木 恭規
2
Nobuyuki Kawata
1,3
,
Yasunori Aoki
2
1東北大学医学部神経精神科
2国立仙台病院精神科
3現在弘前大学教育学部
1Dept. of Neuropsychiatry, Tohoku Univ. School of Med.
2Clinic of Psychiatry, National Sendai Hospital
pp.63-68
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202575
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われわれは一応正常な社会生活,職業生活を営んでいるKlinefelter症状群の13例について各種の心理テストを施行し,その結果について検討を加えた。
施行した心理テストは知能テスト(WAISまたは鈴木ビネー),ロールシャッハ・テスト,Y-G性格検査,およびMMPIである。知能テストの結果では軽度の知能障害を有する傾向が認められ,全例の平均のIQは77.7であった。またWAISの言語性IQと動作性IQとの比較では動作性IQの高いものが多く,さらにサブテストの得点では類似問題および単語問題において成績の悪いものが多かった。ロールシャッハ・テストでは反応数少なく消極的・抑制的で,内的想像活動や情緒表出の活発さに欠けるなどの特徴がみられた。さらにY-G性格検査ではA類型およびC類型を示すものが多く,MMPIではHs,D,Hyのいわゆる神経症尺度で高得点を示すものがやや多くみられた。
以上の心理テスト所見を本症状群における基本所見とみなし,心理学的・精神医学的観点から考察を加えた。
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