Japanese
English
研究と報告
多彩な精神症状を呈したKlinefelter症候群の1臨床例
A Case of Klinefelter's Syndrome with Various Psychiatric Manifestations
花田 進
1
,
峯崎 恭彰
2
,
三田 達雄
3
Susumu Hanada
1
,
Yasuaki Minezaki
2
,
Tatsuo Mita
3
1湊川病院
2藍野病院
3神戸大学医学部精神神経科学教室
1Minatogawa Hospital
2Aino Hospital
3Department of Psychiatry and Neurology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
Klinefelter's syndrome
,
Psychotic symptom
,
Sex chromosome
Keyword:
Klinefelter's syndrome
,
Psychotic symptom
,
Sex chromosome
pp.409-414
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204693
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抄録 泌尿器科でKlinefelter症候群と診断された10年後(33歳時)より昏迷,幻覚妄想状態,精神運動興奮,精神運動抑制,抑うつ気分など多彩な精神症状を4年問にわたり繰り返している1例を報告した。身体的には高身長で,一次および二次性徴の発現不全がみられた。染色体は47, XXY核型であり,内分泌所見では血中テストステロンの低値,血中FSH,LH,尿中HCGの高値が特徴であった。総IQは77で,言語性IQ(86)に比して動作性IQ(69)が低値を示した。不妊および内分泌障害を指摘されたことによる心理的衝撃,性に関する劣等感,内分泌障害,過剰なX染色体の脳細胞機能に対する慢性器質的な影響などが症状形成に複雑に関与していると考えられた。
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